世界が広がる体験で未来を描く
医療は、世界中で連携が必要な分野です。医師や研究者は、最新の治療法や知識を共有し、健康向上に貢献しています。近年、日本における外国人移住者や旅行者の増加に伴い、様々な文化や背景を持つ人々が日本の医療を利用する機会が増えています。このような多様な患者層に対応するためには、言語能力だけでなく、文化的な違いを尊重し、適切なコミュニケーションや治療アプローチを取ることが重要です。
本学では、日本の医療文化や思考を尊重しながら、グローバルな医療に必要なマインドセットを養うため、短期留学と海外臨床実習の2種類のプログラムを提供しています。これらのプログラムは、医療分野のグローバルリーダーを目指す学生の学びの意欲を後押しし、世界中のどこにいても医療の未来に貢献できる能力を育成します。ぜひ、東京医科大学の国際教育を通じて、多様な国際社会に貢献できる医療人を目指してください。
短期留学プログラム
Volunteers in Asia (VIA):アメリカ医療の体験
1963年にスタンフォード大学の教授によって設立された米国の非営利組織、Volunteers in Asia (VIA)は、米国と東アジアの学生の相互理解を促進するために、さまざまな体験型留学プログラムを企画・運営しています。
1996年、東京医科大学と東京女子医科大学はVIAと協力し、医療分野に特化したExploring Health Care (EHC) プログラムを共同開発しました。現在のEHCは、日本をはじめとするアジアの意欲ある医学生から多数の応募を受ける人気プログラムとなり、本学からも毎年数名の学生が参加しています。そして2025年春から、VIAと東京医科大学で、本学の学生を対象とする新たなプログラムDiscovering Culture & Health Care (DCH)がスタートします。
一歩踏み出せば、世界が広がるプログラムです。
DCHプログラムは、シリコンバレーの多様で革新的な文化を探検しながら、現地の医療従事者、研究者、患者、スタンフォードの学生などとのディスカッションやワークショップを通して米国のヘルスケアシステムを形成している現在の課題や社会問題を、考える8日間です。また、慈善団体でのボランティア活動など、個人旅行では経験できない、東医生のみが参加できるプログラムです。参加者は本学の学生のみで、参加のための選抜試験もないため、
※2025年春に開催予定のDCHの詳細はこちらをクリック!
※2024年10月1日より申し込みを開始します。
日本を含むアジア諸国で選抜された医学生30名が参加できるプログラムです。参加者はスタンフォード大学やサンフランシスコ周辺の医療機関を訪問し、多様な患者を扱うアメリカ医療について学びます。さらに、プログラムではアメリカの臓器移植経験者やドナー家族の体験談を聞いたり、性的少数者(LGBTQ⁺)を対象とするクリニックなどを訪問し、医学生同士で医療の課題や取り組みについて意見交換を行います。また、サンフランシスコの慈善団体でのボランティア活動なども通じて、アメリカ医療を様々な視点から体験する機会が提供されます。春には国内にいながら参加できるEHCバーチャルプログラムも開催され、多様な視点から医療について学ぶことができます。ますます多様化する医療の世界において、新たな視点を得ることができる貴重な機会となります。
海外臨床実習
異文化での臨床経験
医学科の第6学年では、診療参加型臨床実習の一環として、4月の約1カ月間、海外の提携施設における臨床実習を選択することができます。毎年約20名の学生が選抜され、世界の様々な国に派遣されています。日本と異なる医療現場を体験するのみならず、異文化にふれることで、視野を広げ、さらに成長するよい機会になっています。参加した学生の中は、帰国後、1ヵ月の実習で手ごたえを感じ、USMLE受験など次の目標に向かって邁進する学生もいます。卒業前に大学のカリキュラムの中で留学できる唯一のプログラムです。
6年次4月の海外臨床実習に参加する学生は、留学中、全て自分で対応しないといけなくなることを想定し、応募書類を含め、留学の手配は、5年次の秋頃より、本学支援の下、学生自身が行います。留学の数ヶ月前より、大学の授業「海外臨床実習コミュニケーション」を受講し、留学に要な知識を身に着けます。留学中、学生には定期的に状況を報告してもらい、大学として学生の安全を確認しています。帰国後、本学の医学会総会にて英語で留学報告を行いますが、事前に予演会をするなどして英語や発表に関する指導をしています。このように、留学準備から帰国後の留学報告にいたるまで、一貫した教育と手厚いサポートを受けることができます。